こぶれ 2024年1月号
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か     こ                    2 「竜は性粗猛にして美玉空青を愛し、タツ年あれこれ十二支で辰年。その動物はタツ・リョウ・リュウとなっています。古文書だと、李時珍の「本草綱目」で竜は鱗虫の長で「頭は駝らに似、角は鹿に似、耳は牛に似、眼は鬼に似、項くは蛇に似、腹は蜃みに似、鱗は鯉に似、爪は鷹たに似、掌は虎に似たり」とあります。喜んで燕肉を嗜む」。説文に竜は春分にして天に登り、秋分にして渕に入ると。うーむ。堅苦しい話になりました。少しやさしく。竜は〝三停九似〟といわれ、天上、海中、地底の三界をすみ家とし駝、鹿、鬼、牛、蛇、蜃、鯉、鷹、虎という九種の動物に似たところから雲を興おし、雨を致し、水に潜み、天に登り、神霊を測るべからざるものとして中国ではおめでたい行事に竜をかつぎ出すのも分かります。ずちくだびすじ竜は悪相。が、西欧の竜であるドラゴンのような悪獣ではない。映画のスクリーンではいつも大悪役。漢時代から宮廷の紋章には五爪の双竜が壁を争う文様が用いられています。帝王に面会することを「竜顔を拝す」といい、その怒りをうけるのを「逆鱗にふれる」ですね。地名に竜のニックネームは、中国・朝鮮、日本にとても多く、人名にもつかわれていますよ。古代中国に発祥して架空の合成動物もお正月にふさわしい。縁起ものと受け止めて下さい。 「正倉院薬物」で種々の発掘された動物の骨格、角、歯など不明なものに竜のような怪獣に集約。抽象したものがあるのも合理的です。一九七一年ごろでしたか中国物産展に正月用として十二支のガラス細工でタツがパンダ(大熊猫)に代えられたのが新聞ダネで話題を呼びました。あの人気者のパンダがタツ!来日し超スーパーアイドルになるかわいいパンダ以前のお話。正月らしい楽しいものでした。あの竜0馬。坂本竜0馬はタツ年ではなかっ国にも先明の知恵者もいるんだと感心しています。筆者もタツです。知人にかつて「君はヌエみたいなところがある」と言われ、ん!?。ちょっと不快でもありました。ヌエとは源頼政が退治したという妖力を持った怪獣。つかみどころのない、ハッキリしない人物。「政界のヌエ……」と言われる大物政治家もいるようですが。ただ「坂本龍馬もヌエ的な人物」との雑誌など知り、なんとなく救われた気も。で、待てよ。たのか。真偽のほどはさておき。こんな辰年のあれこれで。読者のみなさんにいいお正月を。ご健康を祈念いたします。著・三軒茶屋ニコみどりの風

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