最西端にいると北国に憧れます。雪の降る国、永住は嫌だが北海道には二、三回行ったことがあります。二月初め、3年ぶりに「さっぽろ雪まつり」が開催され、大々的にテレビ放映もされました。1950年に始まり、確か三回目ぐらいに訪れた記憶があります。札幌の大通公園に中高生が雪像を設置した素朴なスタート。札幌市、観光協会が肩入れし、雪合戦、ダンス、仮装行列が行われ五万人の盛況ぶり。以後、世界的に知られるイベントとして脚光を浴び、毎年200万人以上が足を運んでいます。コロナ禍でダウンしたものの勢いを増しているようで。北海道の東部地方をスポンサーからの依頼で観光PR用の「道東好日」を5回ほど連載した記憶がよみがえりました。一月下旬、紋別の流氷、薄曇りのなかに流れている無数の氷の島。無人の漂流船ですか。阿寒湖。凍った湖を歩くことができるのでスノーモービルをしっ走。氷上をです。フルスピードで突っ走るそう快感。屈斜路、摩周湖と並ぶ三大国立公園。天然記念物マリモの生育地。面積13平方キロメートル、最大深部四四・八メートル。この氷上を車上と言え走ることは、これまでの人生の苦労が四散した思いが今でもあります。楽しさがあれば苦もまた来る格言があります。が、スノーモービルで山上までのドライブ、鼻歌まで出そうな気のゆるみか、カーブを曲がりきれず、斜面から谷底の方にドードッと降下。瞬間「やばい!」とモービルを蹴り体を離し雪中に飛び込む。モービルは落下。スポンサー関係者の悲鳴に似た声。 「車は大丈夫か?!」。「なにッ、人命より車が大事とは」。筆者も怒りをおさえ「OK、OK…」なんや喜劇のワンシーン。フィナーレが札幌の「雪まつり」。カナダの「ケベックウインターカーニバル」、中国の「ハルビン氷祭り」と並び世界三大雪まつりの一つに数えられています。そう「道東好日」ならぬ「―悪日」の裏話も忘れられません。取材ノート、道内のどこかで紛失。カメラは無事。スポンサーとの約束もあり「冷や汗」流しながら対処したのが知人の「北海道タイムス」記者に頼み、道東関係の記事を集めてもらいました。情けないアンフェアの行為。ただ捨てる神あれば拾う神あり。道内で筆者の取材ノートを見つけてくださった方がノートに社名・住所・名前があったことから送り届けていただきました。無死満塁の危機を脱し、自前の「道東好日」です。やれやれ熱い汗を今でもかきたくなりますよ。とにかく「オーマイ・ゴッド!」 2道東好日著・三軒茶屋ニコみどりの風
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