こぶれ 2022年5月号
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                         2〽ホーケーキキー自宅裏庭の方向にある小高い山から春を告げるウグイス幼鳥の鳴き声。まだ半人前以下のそれに苦笑。これが一人前になるのが5月中旬の春本番ですか。ウグイスの鳴き声で耳に再来したのが、鹿児島県長島町。離島の町です。本県の南島原市、熊本県天草市、長島町の長崎・熊本・鹿児島を結ぶ「三県架橋」。2月上旬に地元紙・長崎新聞が三県架橋の特集記事を掲載していました。三県を地元の各期成会などで組織する「島原・天草・長島架橋建設促進協議会」の事務局(長崎県地域づくり推進課内)は、まだ存続し「国の大型公共事業の見直しなどにより2008年に海峡横断プロジェクトが凍結されて以降、厳しい状況が続いている。国の調査再開に向けて働きかけに力を入れる」としています。実に構想から40年余りが過ぎた現在、これと言った動きはなく、住民の関心も薄れつつあるようです。同協議会の年間事業費は約400万円。地元関係者が一堂に集まり架橋の実現を目指す構想推進地元大会をメーンに少年サッカー大会や絵画コンテストを通して盛り上げをはかっているのが実情ということも知りました。筆者が長島町に渡ったのが20年前。同町出身の知り合いが、裸一貫で長崎に出て築き上げた新聞販売事業が成功、生まれ故郷に別荘を兼ねた自宅みたいなものを建設、そのお祝いに招かれました。渡航船で天草から長島町に渡りました。季節も今時分で港には枝し垂だれ桜が満開、桜が海に映え渡り、素朴な水彩画の世界がそこにありました。圧巻はウグイスの鳴き声。港周辺にいるその鳴き声が(空でなく)海面を伝わり軽いリズムとなって波間を走ってくるのです。息をのみました。感動という言葉はこのことか。鳴き声と言うかさえずりか。港の四方から天でなく海の四方から軽快に走ってくるのです。この〝声〟がまだ耳から離れません。夜は名産の「島美人」という銘柄の焼酎にうっとり。新鮮な魚介類に舌鼓をうちました。現在ではブリの養殖ですか、始めているとも聞いています。ウグイスの鳴き声とともに忘れ得ぬ長島町になっています。架橋が実現すれば地域の起爆剤となり、鹿児島とのルートで観光面にも拍車がかかり地域振興に大きなパワーとなるでしょう。ポイントである経済力も潤います。本県も熊本も。筆者としてはウグイスの鳴き声に代表される心の潤いと安らぎ、金にかえがたい貴重な天の財産です。一人でも多くの人に、この心の潤いを味わって欲しいものです。一石二鳥ならぬ〝ウグイス〟は二鳥。架橋とうぐいす著・三軒茶屋ニコみどりの風

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