みどりの風著・三軒茶屋ニコ ウシ年になりました。 草原でのんびり草をはむ牛の情景だけで、筆は重く「〽モー」と泣きたくなります。 小学六年生だったか、校内で創作集を出すことになり「何でもいいから書きなさい」と編集長を兼ねる担任先生の呼びかけ、新任の男先生。文学青年が売り物だけに大張り切り。 作文で校内誌に寄稿したことも目をつけられ筆者を指名。 で、とある病院の受付に訪れた男性。 病院「どこが悪いのですか。内科00ですネ」。しばらく考えた男性。「内科じゃない、オラぁ農家00だ。麦と野菜をつくってんだよ」——。こんな内容をくどくど書いた記憶があります。 これを気に入った編集長「小学生にしては機知に富み、センスもある。オチも鋭いしシャレている」とベタボメ。 決め言葉が「将来、文学界を牛ぎゅう耳じるかもしれんぞ」。ぎゅうじると言う初めて聞いた言葉の意味を知ったのは、中学入学で辞書を買い、牛ぎゅう耳じる——団体や組織を支配し思いのまま動かす。 高校時代に牛耳をとるという言葉がよく使われました。他を圧して仲間の長になることで〝牛ぎゅう耳じる〟という動詞にもなります。 中国で天子の盟ちかいに、盟主がウシまたはウマの血を一同がすすった故事からきています。 ただ「牛耳る」の言葉とは縁がなく、文学もどこにも牛も耳もなく〝牛齢〟を重ねて来ただけのようです。 むしろ豚とん児じ。ちょっと待って、イノシシはあるが豚のエトはありましたかな。失礼です。 ウシは落語の世界に存在するんじゃないかと調べてみましたが、ほとんどない。 演者の語り口を楽しむ芸だけに寄席、演芸場なども足は遠のき縁が薄くなっています。 「牛うしほめ」(池田の牛ほめ)がありましたが落語全集にも載のっておらずお手上げです。 ふと ずっと昔、猛暑の名古屋・熱田の和菓子屋で名物の大福餅をお土産品に買い求めた際、額にあった八文字を思い出しました。 一笑一少 一怒一老 文字通り「一回笑えばひとつだけ年が若くなり、一回怒ればひとつだけ年を取る」。中国の格言みたいですが、わかりやすく説教じみていないのがいい。 あの和菓子屋さんやっているかな。 甘みは余りなく、おいしかった大福餅を食べたくなりましたよ。新年早々、ほほがゆるみます。 南米原産でマメ科センナの花木「コバノセンナ」が年末まで県内でも黄金色の花を咲かせていました。花言葉は「幸せが飛んでくる」。 この花が読者の皆様に飛んでいくよう祈念し、ウシ年のごあいさつと致します。牛ぎゅう 耳じ る「みどりの風」で、軍艦島が映画007の舞台になっていたことを知りました。是非観たいと思いました。(宮城県のおやじさん)遠いところからのお便り、ありがとうございます。軍艦島は、「進撃の巨人」も撮影されたみたいですよ。007も観てみたいですね。2
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