こぶれ2020年2月号
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みどりの風著・三軒茶屋ニコ 令和初の新年。エトの始まりの子(ネズミ)年となにやら縁起のよい年明けの序章、年賀状です。 賀状は「禧(き)」の一文字に筆者の住所と名前、禧は新年を祝う意だが、例年、ハガキエッセイ風の長文を大きく省力化、何かもうけたような気は、さもしいですかね。 いただく枚数は減り、寂しいと言うより友人、知人の高齢化など諸事情が重なり当然のことでしょう。 終活宣言も急増。昨年末までの年賀欠礼の「来年からは欠礼いたします」が増え、次、来年は手元に何枚ぐらいか予想がつきません。 年賀状に「賀状挨拶、今年で最期にしたく思っています」。京都の友人で私設の天文館長Hさん。 趣味と道楽の天文館活動が多忙になったわけでもないでしょう。 元旦から墨ぼっこん痕鮮やかな文字を目指し、自ら墨をすり、太筆で小さなハガキに書きなぐる。 その力作業には敬服いたしますが、文字の方はお世辞にも〝お上手〟とは言えない。普段の文字も下手で読みずらいレベルでした。 本人も年齢には勝てず、新年早々の力作業から脱出するには…これしかない。 〽ムリはすんなよHさん〽それでいいのだ…鼻歌がつい出てきます。 これは拍手ものです。 新年にはつきもの、新聞・雑誌の干え支と動物の大きなスペースを占めるのが、ここ二、三年で減り、今年は各紙とも皆無の状態。 動物についての知見や人と彼らとのかかわり合いは、動物学者がいなくなったせいとは考えられません。 ことしは子(ネズミ)年。ディズニーランドの人気者ミッキーマウスさんの登場。 古い話では、動物の増える例にネズミ算が出てきます。大黒様が子宝の神様として信心されるのも、米俵をふまえたネズミが配されているからだとの説も。 初詣の客はネズミ年の子孫繁栄を願って絵馬を買っていくのが多かったが、肝心のネズミの絵馬がありません。 これは物足りない風景でした。 ネズミの特徴は、 まず一日に〇・五㍉もの速さで伸びる、大工道具のノミみたいな門歯。コンクリートの壁、鉛の管もこれでかじられたらお手上げ。 子供の頃に歯が抜けたら「ネズミの歯と取り替えて」と唱え、床下や天井裏に投げる風習は、この丈夫さにあやかるため。最近では見られない風景。 耳もさとく、危険の情報をいち早くとらえて逃走。これを逆用され二万サイクルの高周波音を発射すると「ギャーッ」と悲鳴をあげてネズミは総退却するそうです。 さて、年賀状。 孫の成長もネズミ算式に速い。兄が今春は中学、妹も小三。 彼らには禧の一字だけでなく「一生懸命、健康第一で頑張れ!」とそれぞれ添え書きの特別サービス。 これを「…バカ」というんですかね。子(ネズミ)新年雑感2

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