こぶれ2018年3月号
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「日与莉ちゃんの家の横、何ば建てると。」 とつぜん、友だちからたずねられました。わたしの家は「大松屋」という米屋です。昨年、おじいちゃんの家から私の家の横に店をうつしました。友だちは、その工事をしているところを見て、何を建てているのだろうと思ったそうです。 「大松屋」は、ひいおじいちゃんが明治時代に始めた米屋です。口之津町の「大屋」地区にあることと、名字の「松尾」から、「大松屋」という屋号をつけたそうです。お父さんは、三代目になります。移転する前のおじいちゃんの家は、大屋地区を通る県道ぞいにあります。昔は、その県道が中心道路だったということです。しかし、今は、県道より海ぞいを通る国道ぞいの方が、車を使うお客さんが来やすいということで、私の家の横に移転したのです。確かに、移転する前は歩いて来るお客さんが多かったのですが、移転してからは、車で来る方が増えました。 大松屋では、長崎県産のひのひかり・にこまるという銘柄や棚田米・無洗米、新潟県産のこしひかり、佐賀県産のヒヨクもちなどを扱っています。仕入れは、長崎県だけでなく、佐賀・熊本・福岡まで行きます。お客さんとしては、個人だけでなく、病院やスーパーなどもいらっしゃいます。 お父さんに、米屋のことを聞いてみました。苦労としては、一年を通して、おいしく食べてもらうために、保管温度、湿度、精米のしかたを変えなければいけないこと。春・夏・秋・冬で気温や湿度が変わるので、それに合わせて、保管温度や湿度、精米のしかたを変えているのだそうです。工夫としては、お米を涼しい低温倉庫で保管していること。お米をそのまま保管すると、コクゾウムシなどの虫がわいてしまうので、虫がきらう低温で保管しています。大松屋には、学校の黒板と同じくらいのはばの低温倉庫があります。 わたしの家の朝食は、ほとんどがご飯です。わたしは、ご飯の朝食が好きです。それは、パンにくらべて、腹持ちがすることと、力がわく気がするからです。わたしが元気に登校して学習できるのは、ご飯の朝食をとっているからだと思います。もちろん、そのご飯は大松屋で売っているお米です。今までは、ただなんとなくおいしいとしか思いませんでした。しかし、お父さんがいろんな苦労や工夫をしていることを知り、おいしさだけでなく、感謝の気持ちを持って食べています。 わたしは、二人姉妹の長女です。大松屋の四代目になりたいと思っています。今、日本では、米を食べる人も作る人も減ってきていると聞きます。でも、お米は日本人の主食です。健康にもとてもよい食べ物です。わたしは、お父さんのような、お客さんにおいしいお米を食べてもらうために工夫する米屋になりたいです。第42回「ごはん・お米とわたし」作文・図画コンクール課題(作文・図画部門共通)毎日のごはんでおいしかったことや家族とのコミュニケーション、お米、ごはん食に関しての思い出や考えたことなどを素直な気持ちで自由に表現して下さい。●全国農業協同組合中央会会長賞●長崎県コンクール入選「おいしいお米を食べてもらいたい」 南島原市立口之津小学校4年松 尾 日与莉全国コンクール入賞作品作文5
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