こぶれ2月号
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みどりの風著・三軒茶屋ニコ 鏡開きのお餅を口にし、新春の名残りをかみしめる。 玄関のシメ縄、賀正札など整理し、これで平成30年がほんとうに始まる。 この日は雪になった。全国ニュースで「雨の長崎」ならぬ南国ナガサキが「雪の長崎」で放送されている。 これを横目に賀状に目を通す。 今年で縁切りと思った賀状。渋しぶ々しぶ筆にしました。 年々、友人知人の死去や大病で激減し、例年どおりの賀状の羅ら列れつに「もういい。来年こそ断筆」と。 おエーッ?!とはしなくも声がもれたのは、死んだはずの友人Y君からの賀状。 お盆なら迷ってさまよい現れる人もいようが、冬の新年早々。しかも寒気と雪。時季、舞台が違う。 数年前、亡くなったことを風の噂で知った。 大酒呑のみで暇があれば病院通いと薬は、この人の常套とう語だったな。 その賀状も「薬漬づけの毎日。休肝日が欲しい」といつものセリフ。 新聞社にいたので休刊0日に〝休肝0日〟を引っかけ、酒をやめ肝臓を保護したいか。 待てよ。Y君の死亡を確認していなかったな。葬式も出ていない。そのニュース元も誰だれだったか忘れている。 こりゃ誤認らしい。返信には「お互い000息をしているようで……」とおそるおそる切り出し「とにかく生きよう」と意味不明のお返しをしたが、受け取ったY君「なんや?!」と「三軒茶屋もボケ始めたか」と苦笑かも。 〽死んだはずだよお富さんーいやYさん 粋な黒塀 見越しの松 玄げん治や店だな と、小学三年の頃に流は行やった春日八郎さんの名曲を口ずさみ、ます。 身内に不幸があれば、賀状は欠礼がならわし。 佐世保のHさん。確か昨年暮れに甥が亡くなりバタバタしたような電話。その場でおくやみを申しましたが、 「80歳になりました。感慨ひとしおです」オイオイ、若くして亡くなった甥御さんは――。 Hさん、傘寿でお元気がでたかどうか。やはり筆者は欠礼しました。 八女の義母が亡くなった後輩の長与町・A君。今朝の賀状に「寒中お見舞い――」の心配りのあいさつ。気分がいいですなぁ。 地元テレビ局勤務だったIさん。「脳梗塞の後遺症が出ないのが、何よりも有難い。でも7月にFさんが急逝――」。これは衝撃でした。 初めて心優しかったFさんの死去を知りました。遅くなりましたが合掌です。 いろんな十人十色を賀状は伝えてくれます。そんな楽しみもあるんですな。 「あっという間に満92歳。60代の頃、東京で岸首相など歴代首相の手相を見てきた方に『あなたは92歳まで大丈夫』と言われましたが、今年は早くもその年になりました。宿願の憲法問題も大きな山場。この機会に一応の区切りをつけ、年賀状も終わりにいたしたい。これまで本当に有難うございました。心からあつく御礼申し上げます」。 胸が熱くなるN市の医師、畏敬するS・Kさん。 平成の社会思想家でもあったさわやかな人生ドラマの終幕に大きな拍手です。賀状雑感2
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