こぶれタイムズ 53号
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フルーツ洗濯ばさみ洗濯ばさみvol.45パッションパッションフルーツの実一番上がもうすぐ収穫時期を迎える実箱詰めされたパッションフルーツ1つ1つ丁寧に磨いて、主に関東・関西地方に出荷します JA Shimabaraunzen Community Paper取材協力:藤ふじ田た 信のぶ芳よしさん(南島原市西有家町)突然ですが、皆さんはパッションフルーツを食べたことがありますか? 名前は聞いたことがあるけれど食べたことはない、という方も多いのではないでしょうか。かくいう私もその一人でした。南国のフルーツのイメージがありますが、実はこの島原半島でも栽培が行われています。今回は、そんなパッションフルーツについて紹介します。 南島原市の西有家町では生産者2人が栽培を行っています。伺ったのは、その1人の藤田信芳さん。藤田さんは元々別の仕事をされていて、65歳の時にお兄さんが栽培していたパッションフルーツを引き継ぎました。ハウスの面積は5アールで、現在5年目になります。農業は初めての挑戦でしたが、「毎日が楽しい」と話します。 6月から始まった収穫は、現在終盤を迎えていて8月中旬まで続きます。6月頃まではきれいな白い花が見られるそうですが、取材時には残念ながら見ることができませんでした。花を1つ1つ指でつまんで受粉させると、その部分が膨らんで実になります。1本の株に15本ほどつるがあり、それぞれに6~8個の実をつけます。条件が良いと冬場の3月にも収穫が可能で、夏場で2か月、冬場は4か月かけて成長します。 ハウスをのぞいてみると、洗濯バサミでとめられている実があることに気が付きます。実はこれ、熟した実が落下するのを防ぐためのアイディア。他県の産地で行われていたこの方法を、藤田さんがYouTubeで見つけて取り入れました。落下によるキズを防ぐだけでなく、実が落ちていないか何度も見回りをする必要がなくなりました。熟した実は、洗濯バサミを外すとポロっととれるか、少し力を加えるだけで簡単に外れます。 実際にとれたてを1つ試食させていただきました。ほどよい酸味と甘みに、いい香りが広がって美味しい! 他のどの果物とも違った味で、そのまま食べられる種も食感が良くてクセになります。食べごろは収穫から3日ほど経ってから。表面にしわが出てくるのがサインで、さらに甘味が増すそうです。今年は天候に恵まれたことで、実がしっかり詰まっていて、酸味が少なく甘い良い仕上がりとなっています。 最後に藤田さんへ今後の目標をたずねると、「これからも出来る範囲でいいものを作っていきたい。パッションフルーツはあまり手のかからない果物なので、もっと作る人が増えていってほしい」と話しました。こぶれタイムズ美味旬菜びみしゅんさい

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