ジャガイモ畑でニッコリ微笑むのは、坂本憲一さんと照子さん夫婦。坂本さんの手には掘りたての大きなジャガイモが。「今年は、雪や霜、強風の影響で玉数が少ないとよ。大きさは、まあまあかな。全体的には例年の90㌫くらいの出来かな」と話します。 坂本さんは、もともと福岡県の出身で、兵庫県内にある大手商業施設で働いている時に照子さんと出会い結婚。その後も、兵庫県内で暮らしていましたが25年ほど前、照子さんの実家に後継者がおらず困っていると知り、このままでは先祖代々受け継がれた農地が廃れてしまうと一念発起。農業をやってみようと決意したといいます。 「若いころはジャガイモ、レタス、タマネギなんかを作っていましたが、今はジャガイモのみ。JAに出荷するほか、家族や知人におすそ分けするのも楽しみです」と照子さんも笑顔を見せます。 JA島原雲仙南串地区営農センターの原口宏紀センター長は、「無理のない程度にジャガイモ作りを続けていただきたい。今後は病害虫防除と適期収穫を指導していきたい」と話しています。 さて、「新じゃが」という言葉。これは品種名ではなく呼び名です。掘り取ってから貯蔵せず、すぐに出荷するジャガイモは品種を問わず「新じゃが」と呼びます。「新じゃが」は水分量が多く加熱すると、少しねっとりしたような食感になります。すぐに火が通るのも特徴です。一方、貯蔵したジャガイモは、でんぷん質が増えて加熱するとホクホクとした食感になります。 とっても美味しいジャガイモですが「カロリーがちょっとね~」と思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。ジャガイモは、でんぷん質を多く含む食品ではありますが、実はカロリーはご飯の約半分ほど(調味前)。さらに、ジャガイモは代謝を助けるビタミンB1、B2を含むので、脂肪の蓄積を抑えることも期待されています。 ただし、油との相性がいいので、調理する際は工夫をしてくださいね。クッキングコーナーでは、油で揚げないコロッケ風の料理をご紹介します。 「新じゃが」の季節になりました。ジャガイモは、「カレー」や「肉じゃが」「ポテトサラダ」など、家庭料理に欠かせない万能野菜のひとつです。長崎県のジャガイモの生産量は、北海道に次いで全国第2位。しかも、その多くが島原半島内で栽培されています。こぶれタイムズ春号では、掘りたてのジャガイモと、ジャガイモを使ったメニューを紹介します。調理法に気をつければカロリーもおさえられるとよ~おいしい新じゃが食べてね~ JA Shimabaraunzen Community Paperこぶれタイムズ美味旬菜びみしゅんさいvol.36ジャガイモ取材協力:坂さか本もと 憲けん一いちさん(75)(雲仙市南串山町白頭)
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