64.事業の概況(2023年度)〔営農販売事業〕 令和5年度においては、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行され、社会経 済活動の正常化に伴い、各地で人流が回復し、コロナ禍前の環境に戻りつつあります。 加えて円安を背景に訪日外国人観光客も増加傾向にあり、インバウンド需要の期待も 高まってきている中ではありますが、相次ぐ物価の上昇により消費者の購買意欲の減退 が心配されています。 このような状況を踏まえ、「適正な価格形成」と「農家所得の増大」に向け、JAグ ループ・重点市場と連携した販促活動やトップセールスを行いながら、販売価格の向上 に努めてまいりました。 部門毎の販売高を見てみると、農産で前年比89%、馬鈴薯や人参においては、競合す る産地の出回り不足もあり、一年を通して堅調な取引が出来ました。 秋冬野菜については、不安定な天候推移により全国的に数量減の単価高の相場展開と なり、いちごは安定した価格に支えられ前年を大きく上回り、野菜全体で前年比101% の実績でありました。 果樹では、良食味の果実の生産と販売に努め前年比101%、花卉では前年比99%、畜 産は取扱の頭数は伸びましたが、枝肉価格、子牛価格ともに低調で前年比94%、加工( 素麺)については前年比92%であり、販売事業全体で、298億3千万円(計画比94%、前 年比101%)の実績となりました。〔経済事業〕 令和5年度は、国外の不安定な社会情勢が継続するなか、肥料をはじめとする農業資 材は年間通して高値で推移しました。そのようななか、農家組合員の農業生産経費抑制 を図る目的で予約を中心とし各対策に取り組みました。 肥料については、予約品に対する値引き、品目を限定したキャンペーンの実施、飼料 は価格高騰が続くなか年間通しての値引きを実施しました。また、東部地区においては 第二総合集荷場に併設した「JAグリーン南島原店」をオープンし組合員の利便性を備 えた店舗を建設することにより施設の集約も実現することができました。 生活資材関係では、各地区での農機具展示会で最新技術を備えた農業機械を紹介しま した。Aコープ店舗は定期的な催しを実施して集客に努めました。 一方、石油類についても国外の不安定情勢の影響を受け原油価格は年間通して高値で 推移しましたが、定期的なキャンペーンを開催して安値で提供できるよう努力しました。 揮発油については、ハイブリッド車や電気自動車の増加により数量が減少し、農業用 燃料においては平年より暖冬の影響もあり重油の数量が減少しました。全体として、購 買品取扱高133億5千万円、計画比94.3%、前年比97.2%となりました。〔信用事業〕 JAバンク長崎中期戦略(令和4年~令和6年度)2年目を迎え、顧客基盤の強化・ 農業と地域・利用者をつなぐ様々な金融サービスを提供し、地域に根ざした金融機関と して業務に取り組んでまいりました。 貯金につきましては、1,820億円の計画を立て推進運動を実施し、組合員をはじめ地 域利用者のご協力をいただき役職員一丸となって推進した結果、1,821億円の残高とな なり計画を達成することができました。 貸出金については、365億円の計画を立て農業融資等・住宅ローンを中心とした各種 ローンの伸長に努め、371億円の実績で目標を達成いたしました。 年金友の会の活動につきましては、グラウンドゴルフ大会・ゲートボール大会等開催 いたしました。会員拡大運動決起大会を開催し会員各位のご協力により新規会員の紹介 を頂くなど1,292件の年金口座を獲得できました。
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