7.リスク管理の状況 ◇リスク管理体制 〔リスク管理基本方針等〕 組合員・利用者の皆さまに安心してJAをご利用いただくためには、より健全性の高 い経営を確保し、信頼性を高めていくことが重要です。 このため、有効な内部管理態勢を構築し、直面する様々なリスクに適切に対応すべく 「リスク管理基本方針」を策定し、認識すべきリスクの種類や管理体制と仕組みなど、 リスク管理の基本的な体系を整備しています。 この基本方針に基づき、収益とリスクの適切な管理、適切な資産自己査定の実施など を通じてリスク管理体制の充実・強化に努めています。 また、昨今の国際情勢をふまえ、マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与等の金 融サービスの濫用防止対策(マネロン等対策)の重要性はこれまでになく高まっていま す。当JAではマネロン等対策を重要課題のひとつとして位置付け、リスクに応じた対 策を適切に講じています。 ① 信用リスク管理 信用リスクとは、信用供与先の財務状況の悪化等により、資産(オフ・バランスを 含む。)の価値が減少ないし消失し、金融機関が損失を被るリスクのことです。 当JAは、個別の重要案件又は大口案件については理事会において対応方針を決定 しています。また、通常の貸出取引については、本店に融資審査部署を設置し各支店 と連携を図りながら、与信審査を行っています。審査にあたっては、取引先のキャッ シュ・フローなどにより償還能力の評価を行うとともに、担保評価基準など厳格な審 査基準を設けて、与信判定を行っています。貸出取引において資産の健全性の維持・ 向上を図るため、資産の自己査定を厳正に行っています。不良債権については管理・ 回収方針を作成・実践し、資産の健全化に取り組んでいます。また、資産自己査定の 結果、貸倒引当金については「債権の償却・引当基準」に基づき必要額を計上し、資 産及び財務の健全化に努めています。 ② 市場リスク管理 市場リスクとは、金利、為替、株式等の様々な市場のリスク・ファクターの変動に より、資産・負債(オフ・バランスを含む。)の価値が変動し、損失を被るリスク、資 産・負債から生み出される収益が変動し損失を被るリスクのことです。主に金利リス ク、価格変動リスクなどをいいます。金利リスクとは、金利変動に伴い損失を被るリ スクで、資産と負債の金利又は期間のミスマッチが存在している中で金利が変動する ことにより、利益が低下ないし損失を被るリスクをいいます。また、価格変動リスク とは、有価証券等の価格の変動に伴って資産価格が減少するリスクのことです。 当JAでは、金利リスク、価格変動リスクなどの市場性リスクを的確にコントロー ルすることにより、収益化及び財務の安定化を図っています。このため、財務の健全 性維持と収益力強化とのバランスを重視したALMを基本に、資産・負債の金利感応 度分析などを実施し、金融情勢の変化に機敏に対応できる柔軟な財務構造の構築に努 めています。 とりわけ、有価証券運用については、市場動向や経済見通しなどの投資環境分析及 び当JAの保有有価証券ポートフォリオの状況やALMなどを考慮し、理事会におい て運用方針を定めるとともに、経営層で構成するALM委員会を定期的に開催して、 日常的な情報交換及び意思決定を行っています。運用部門は、理事会で決定した運用 方針及びALM委員会で決定された方針などに基づき、有価証券の売買やリスクヘッ ジを行っています。運用部門が行った取引についてはリスク管理部門が適切な執行を 行っているかどうかチェックし定期的にリスク量の測定を行い経営層に報告していま す。 ③ 流動性リスク管理 流動性リスクとは、運用と調達のミスマッチや予期せぬ資金の流出により、必要な 資金確保が困難になる、又は通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされ ることにより損失を被るリスク(資金繰りリスク)及び市場の混乱等により市場にお 9
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