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東部基幹営農センターが、鮮度保持フィルムで保存したデコポンの出荷を始めて5年目の春を迎えました。一年中、柑橘類が途絶えない産地として、マルナン(○の中に漢字の南の文字)ブランドをアピールし、他産地との差別化を図ろうと企画したものです。
3月14日から出荷しており、今年産から、出荷者が1人増え7人になりました。収穫、貯蔵、選別、箱詰めといった一連の出荷体系が出来上がり、出荷量も増えてきました。5月上旬までに、約10トンを出荷する計画です。
センター管内には16人の生産者がいて、約3ヘクタールのハウスで栽培しています。通常は、12月上旬から1月いっぱいまで出荷を行っていますが、年によってはクエン酸値が高いまま移行し、品質にこだわるマルナン(○の中に漢字の南の文字)ブランドとしての出荷をためらう年もあったといいます。
センターは平成22年、これらのうち一部について、収穫を遅らせるとともに鮮度保持フィルムを使った貯蔵期間を設けました。出荷時も鮮度保持フィルムを使って出荷することを提案し、翌23年から出荷を試みました。化粧袋に1つずつ入れられたデコポンには、葉付きとそうでない物がありますが、特に葉付きのデコポンはフレッシュ感があり高級果実として徐々に人気が出て来ました。現在は、全体の3分の1にあたる約1ヘクタールを、この方法に切り替えています。
出荷形態は、葉付きの物や葉なしの物など3パターンあり、どれも鮮度保持フィルムを使った化粧袋に入れたあと箱詰めします。販売価格は高いが、農家にはこれまでの数倍の手間がかかります。農家は「価格に対する品質づくりは出荷する側の責任。手間をかけた分の価格がつくよう、今後も気を抜くことなく頑張りたい」と話しています。
3月6日、南島原市有家町内で、農家、JA、島原振興局が集まり、出荷協議会と目揃え会がありました。協議会では、果実の選別の基準、箱詰めの仕方などについて申し合わせました。センターは、「今年産は、果実の肥大や果皮の美しさも申し分ない仕上がり。今後は腐敗に注意し、消費者の信頼を損ねないよう出荷を続けたい。収穫後の剪定などについても農家を指導し、大玉果生産につなげたい」と話しました。