ナス順調。元肥の一部を手作りし、収量アップと良品生産。
2015-01-28

吾妻地区営農センター管内で、10月下旬から始まったナスの出荷が順調に続いています。元肥に使う肥料の一部を、手作りし始めて今年で5年目です。それぞれの圃場に見合った肥料を使い栽培しています。それまでに比べ10%以上の収量増につながったばかりか、良品の生産、経費削減を実現しました。生産資材のコスト高が続く中、農家とJAの営農指導員の発想が収入増につながっています。

 今シーズンは、9月の定植期に台風被害を回避するため定植が10日ほど遅れました。その後、持ち直し傾向にあった遅れも、年末の冷え込みなどでほとんど回復していません。今後は日照時間も増えハウス内の温度も上がることから、樹勢も回復し、出荷量は次第に増えてくると見込まれており、6月下旬までに約100トンを出荷する見込みです。

 手作りの肥料は、過剰傾向な施肥量を見直そうと2005年ごろから検証、実験を始め、2011年に一定の割合に落ち着きました。同年から、キュウリの栽培農家と共同で作業を始めたが、ナス、キュウリともそれまでと比べ10%以上の収量増を続けました。特にナスは、数年前と比べると20%増に達し、その効果を実証しています。

 混合する肥料は、石灰類など4種類と微生物類で、独自の混合比率で混ぜ合わせています。今年も、農作業が一段落付く5月下旬ごろに作る計画で、定植が始まる9月までの約3ヶ月間は家庭で保管し、その間に発酵、熟成させます。

 センターの田中慶輔指導員は今後について、「収量アップを第一に、そのための土作りと施肥のバランスを考えながら今後も引き続き取り組んでいきたい。今は収量も少ないが、あと数ヶ月出荷が続くので、樹勢の維持、肥培管理、かん水、温度、病害虫防除など、圃場管理に努めて欲しい」と話しています。